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パイプライン ST-605
 

パイプライン ST-605

 ST-605はガンシクロビル(GCV)を有効成分とする点眼ゲル剤です。本剤はすでに欧米では角膜ヘルペスの治療剤として認可されていますが、当社は本剤をまずサイトメガロウイルスによる眼炎症の治療剤として開発します。
 ガンシクロビル(GCV)は、1980年代に開発された抗ウイルス剤です。ヘルペスウイルスに対して強い抗ウイルス作用を示しますが、全身的な投与では、骨髄抑制などの副作用があるため、ヘルペスウイルス感染症の治療薬としては全身投与の製剤は認可されていません。
 一方、GCVはヘルペスウイルスのみならず、サイトメガロウイルスの増殖も抑制します。サイトメガロウイルスに対して明確な効果を示す化合物は他に存在しないといってもよいため、GCVはサイトメガロウイルス感染症の特効薬として全世界で承認され、使用されています。

サイトメガロウイルスによる眼炎症

 サイトメガロウイルスは、多くのヒトで、すでに潜伏感染しており、免疫力が落ちたヒトで増殖を開始し、種々の臓器に炎症を起こします。眼に関しては、エイズを発症している患者で網膜炎を起こすことが知られていますが、角膜などの前眼部への感染は知られていませんでした。
 しかし、2006年に京都府立医大・眼科の木下教授、小泉博士(現、同志社大学生命医科学部教授)によってサイトメガロウイルスによる角膜内皮炎の症例が報告され、その後、難治性の角膜内皮炎の原因の1つとしてサイトメガロウイルスの感染が確認されています。また、角膜内皮のみならず、虹彩、毛様体などにもサイトメガロウイルスが感染し、前眼部ブドウ膜炎を惹起することも明らかになってきました。サイトメガロウイルスの感染によって角膜内皮炎が発症すると、自然治癒することはなく、放置すると角膜の混濁を生じ角膜移植が必要となります。また、GCVの投与によって炎症がおさまっても、しばしば再発することがあり、厄介な病気であると言えます。現在のところサイトメガロウイルスによる前眼部炎症の治療にはGCVの全身投与しかなく、点眼剤の開発が強く望まれています。

開発状況

 現在、ST-605の効果と安全性を確認するため、小規模の臨床試験を行なっています。臨床試験はまだ終了していませんが、全例で明確な効果が観察されています。現在、本格的な臨床治験のプロトコールの作成等、準備を行なっており、本年度中には最初の症例の投薬開始ができる予定です。