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サイエンス 核酸アプタマー
 

サイエンス 核酸アプタマー

 抗体医薬品が登場してからすでに20年以上が経過し、現在では40種類以上の抗体医薬品が治療薬として承認され、臨床で使用されています。抗体分子はターゲットとなる生体内タンパク質に結合し、不活化させますが、最近、抗体に代わるものとして注目されているのが核酸アプタマーです。核酸アプタマーは、ヌクレオチドの重合体であり、タンパクなどのターゲット分子に対し、特異的に結合する人工高分子です。抗体は製造に生物学的なプロセスが必要なため、製造コストが高くなりますが、核酸アプタマーは化学的に合成できるため、製造コストが低くてすむという利点があります。ただし、核酸アプタマーは生体内での分解が速いこと、あるいは核酸アプタマーに対する抗体の出現など、現在の技術では克服できていない問題点もあります。
 我々は核酸アプタマーの第一人者である群馬大学大学院理工学府分子科学部門の桑原正靖博士と核酸アプタマーに関する共同研究を実施しています。桑原博士は核酸アプタマーをセレクトする独自の技術を持っており、この技術を生かして新規の眼科疾患治療用の核酸アプタマーの探索を行なっています。
 眼科分野では血管新生を伴う網膜疾患に対し、バイオ医薬品が硝子体内注射剤として承認されています。硝子体内注射剤であれば、速い分解や、抗体の出現などの核酸アプタマーの弱点は問題にならず、抗体よりも優位であると考えられます。後眼部の血管新生を伴う疾患は様々なものがあり、また血管新生に関与する因子も多く存在します。これらの因子に結合し、不活するアプタマーは網膜疾患治療薬になり得ると考えられますが、当社は、すでに血管新生に関与するタンパクを把握しており、現在、このタンパクを標的とする核酸アプタマーの探索を進めています。